Thursday, May 19, 2011

南相馬 原町ボランティアセンターでの活動(下)

さて、原町ボランティアセンターですが、南相馬市役所から徒歩7-8分ほど北へ行った原町福祉会館にあります。

まず、GW時のボランティアの活動の流れですが、まずは受付について、書きたいと思います。(現在は変更の可能性大)
受付は9時から開始。活動は午後4時に終了します。南相馬でのボランティアが初めての方と2回以上活動されている方に別れて並びます。GWだったので、8時半くらいになると、玄関前に長い列ができていました。
雨が心配された二日目はテントが用意され、皆さん協力して並んでいました。
初めての方は、受付にて受付票住所氏名連絡先、そしてボラ保険の有無を記入、そして、名札を自筆記入してオリエンテーションに進みます。
2回目の人も同じく受付票、名札を記入しますが、オリエンテーションがないため、すぐに作業の選択に入ります。

さて、オリエンテーションですが、ボランティア活動をするに当たっての注意事項について職員さん(地元社協の職員さん)より説明があります。
南相馬は原発事故の影響も受けていますが、ここに来ているボランティアは、放射能のこととか重々承知の上できているはずということで、最初に触れただけで、あえて詳しい説明はありません。
むしろ、その被災地の複雑な地域性(地震・津波・原発事故・そして風評被害)や、福島県浜通りならではの市民気質を理解し、被災者の気持ちを考えた節度のある行動をとっていただきたいこと、そして、くれぐれも怪我のないように活動することと注意事項を伝えられます。特に活動中の撮影については禁止(瓦礫処理の依頼元である被災者の家などをブログにアップなどもってのほか)、被災者の心情に配慮することについて、口酸っぱく言われました。ボクの記事に、活動時間内の写真がないのは、そのためです。


さて、初回オリエンテーションが終わると、いよいよ各作業の選択です。
2回目以降の人はオリエンテーションがありませんので、すぐにこの作業を選ぶことになります。
作業内容については、前回書いたとおりですが、あらかじめ自分の名前を付箋に書き、掲示板に掲示指定ある作業内容(ニーズシート)の中から選び、貼り付けていきます。
それぞれ求められている人数が集まり次第、ニーズシートが剥がされ、名前を呼ばれて集合となります。
集合後、チーム、班分けをし、各リーダーを選出し、各リーダーのもと、移動方法の確認(ほとんどが現地へ自家用車で分乗)、必要資材の貸し出し手続き(主に瓦礫・泥だし)を行い、出発となります。
各リーダーは、その作業の経験のある方、同じお宅に訪問する場合、そのお宅に行ったことがある方が自然とリーダーとなります。リーダーは安全確認、点呼、そして帰還後の報告を行わなくてはなりませんが、皆さん前向きな方ばかりなので、自ら進んでリーダーになったり、積極的にリーダーをサポートしたりしてます。

帰還後は、貸し出してもらった資材を洗浄し、数を確認して返却します。
そして、人数と作業結果をリーダーがボランティアセンターに報告して、終了となります。
瓦礫・泥出し班として参加された皆さんは、一日の労をお互い労い、記念写真(ボラセンの前で)を撮っている人たちもいます。

さて、この原町ボランティアセンターですが、GW前は、作業が限られていたこともあり一日100人に満たないことがほとんどでした。市民がまだ戻ってなく、屋外活動が制限(屋内待避区域だったため)されていたことが理由ですが、原発事故の影響も多分にあるとおもいます。

ところが、GWに入ると、市民の方が居住地に戻って来、それにともない、瓦礫・泥出しの依頼が増えてきました。
また、連休に入ったため、ボランティアの数も100人どころか、200人、300人とボランティアが訪れてきました。最高は5/4の401名。入口には長蛇の列ができました。
宮城や岩手の多くのボランティアセンターが混乱を避けるため、連休は新規のボランティアの受け入れを停止する措置を執ったのですが、ここ南相馬では新規の方をどんどんと受け入れていました。
それでも、最高400人。GW前の石巻災害ボランティアセンターが1500人/日を突破したと聞いていますので、まだ1/3にも満たない状況でした。


さて、ボランティアセンターも急に人が増えたため、毎日色々な対策を練らなくてはなりません。
最初はかなり手間取っていて、ボランティアの間からも不満の声が出ていたようですが、日々改善されていたようです。
ボランティアセンターは、朝長蛇の列ができるのですが、テントを張ったり、新規の人と2回目の人を分け、なるべくスムーズに作業に入れるように、日々工夫していたように思われます。
当初、全部事項記入だった2回目のボランティアも、県内・県外の区別だけの記入を受付前に記入用紙を回して記入させていたこと。
作業ニーズに貼り付ける付箋紙に電話番号を書かせたこと。
新規のオリエンテーションを別室で行ったこと(多すぎるため)
集まったものからどんどんと作業へ行かせたことなど・・・。
できるだけ無駄がないよう、おそらく夜遅くまでスタッフによる反省会が開かれていたのでしょう。お疲れさまです。

このスタッフですが、地元の社会福祉協議会のスタッフに加え、全国社会福祉協議会からの依頼で派遣された、全国からの社会福祉協議会スタッフが担っていました。
ボクの知るだけで、宮崎市、山武市(千葉らしい)、そして杉並区(南相馬と提携しているらしい)からのスタッフが働いていました。
そして、多くのボランティアもスタッフとして活動していました。いわゆるボランティアセンターのマネジメントをするボランティアです。こちらは継続性から地元のボランティアが多いようでした。
具体的には、総務や受付、ニーズ班(ボランティアの振り分け)、資材班、駐車場整理などです。
最初の振り分けの時に、スタッフの手伝いをするボランティア、できるだけ長期できる方を募集していたのですが、資材係や駐車場係などは重要ではあるものの、地味(失礼)な作業であり、遠方から来たボク達のようなボランティアからは、あまり就きたくない内容と思われていたようです。
また、作業の効率性から、同じ人間が数日に渡り同じ内容の作業を行った方が良いと思われるのですが、比較的自由に選ばせており、一部関わった人だけが同じ活動から「抜けられない」状況だったようで、毎日違う活動を選んでいたボクにとっては自省の意味も込めて、このあたり、運営について改善が必要なのかなぁと思われました。
ほかにも、ボランティアでも「?」と思われる方も目に付くことがありましたが、他所様のブログをお借りして批判的なことを書いてもいけないので、割愛させていただきます。

連休後、がたっと人数が減るかなと思いきや、意外と人数をキープしているようです。
ボランティアセンターもツイッターで情報を発信したり、ブログで翌日のニーズを公表したりと、色々工夫をしてボランティアを集めているようで、当初心配していたボランティアの激減とニーズの激増のアンマッチに苦しむということにはなっていないようです。

ただ、ボランティアはまだまだ足りているという状況ではありません。
市民の人の南相馬へ戻る動きが遅く、原発事故の結果に常に右往左往しなくてはならないため、元通りになるためのスピードはかなり遅いのではないかと思います。
これから、時間をかけた支援が必要になりますので、関心のある方は是非足を運んで下さい。


南相馬ボランティアセンターの帽子。
GW前から個数限定で配布されたもの。
当初ボランティアセンターでは在庫配布終了でしたが、活動場所の物資仕分け場所に大量にあって、市の職員さんがどうぞどうぞと言って配ってくれました。
これをもらって、俄然やる気が出たボランティアさん、多数です。
ボクもです(笑)
希望者が多く、鋭意制作中だそうですが、先日追加分が届いたそうです。
皆さん、この帽子をかぶって頑張りましょう。

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